artscapeレビュー
井上雅之 展「初形より─山」
2012年08月01日号
会期:2012/07/02~2012/07/07
番画廊[大阪府]
会場には山のような形をした大きな陶立体が1点。四角い箱を積み重ねた形状をしており、珊瑚や多孔質の物質を思わせる。形態の面白さはもちろんだが、細部も多彩な色合いや質感、大小さまざまなひび割れを持っており、間近で凝視しても見飽きることがなかった。表面の多彩な表情は、釉薬を何度も重ね塗りして焼成するなどしてつくり出すらしい。彼の個展は関西では12年ぶりということだが、これだけの存在感を放つ作品を滅多に見られないのは寂しい。できればもう少し機会を増やしてほしいものだ。
2012/07/02(月)(小吹隆文)