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久保修 切り絵の世界展──紙のジャポニスム

2012年08月01日号

会期:2012/06/21~2012/07/16

美術館「えき」KYOTO[京都府]

切り絵作家、久保修(1951-)の新作を含む個展。通常、切り紙とは、紙を切り抜いて形をつくり、それを台紙に張ったものを指すが、久保はパステルやアクリル絵の具、布、砂などといった素材を取り入れた独自の技法で切り絵表現の幅を広げてきた。大学在学中に切り絵を始めた久保は、新聞や雑誌の表紙絵などを担当する一方で、その叙情性溢れる作品がふるさと切手や年賀はがきに採用され注目を集めた。四季折々に移り変わる日本の自然の美しさや風物を、和紙を繊細に切り抜いて表現しながらも、迫力ある画面に仕上げている。この計算された構図は、おそらく久保が大学で建築を勉強したためではないか思う。それが旬の食材を切り取った作品では一変する。なんと可愛くてユーモラスだ。どちらもほのぼのして心温まる作品であることには違いない。2009年には文化庁文化交流使に指名され、切り絵を通じて日本文化を紹介する活動も行なっている。[金相美]

2012/07/03(火)(SYNK)

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