artscapeレビュー
あいちトリエンナーレ2013プレイベント「オープンアーキテクチャー」
2012年12月15日号
会期:2012/11/03
[愛知県]
あいちトリエンナーレのプレイベントとして、建築を鑑賞するオープンアーキテクチャーを実施した。朝から名古屋市役所、大津橋分室、市政資料館、愛知県庁本庁舎などのツアーを連続して行ない、めまぐるしい一日だった。市役所の時計塔の内部や、愛知県庁の地下に新しくつくられたハイテクな免震装置の空間など、通常では見ることができない場所にも入り、帝冠様式の言葉で片付けられる建物の意外な一面も発見した。特に職員や県庁のプラモデルを制作したファインモールドによる、熱の入った説明を聴きながら、室内の細部まで観察し、市役所と県庁舎を隅々まで比較できたことがよかった。いずれも想像以上にすごい建築である。こういう体験をすると、本当に各建物のファンになる。昼は、女子校のため、やはり普段は入れない近代建築の金城学院高校栄光館において、「歴史まちづくり講演会」を行なう。大津橋庁舎や伊勢久で名ガイドをしていただいた瀬口哲夫先生と、五十嵐がそれぞれ講演し、あいちトリエンナーレと建築鑑賞をつなぐ対談を展開した。
写真:左上=名古屋県庁舎より市役所を見る、右上=大津橋分室、左中・右中=名古屋市役所内部・時計塔内部、下=金城学院高校栄光館
2012/11/03(土)(五十嵐太郎)