artscapeレビュー
エヴァンゲリヲン新劇場版:Q/巨神兵東京に現る
2012年12月15日号
会期:2012/11/17
『エヴァンゲリヲン新劇場版:Q』を見る。前作の『破』でだいぶ進んだため、衒学的な装飾を外すと、結構シンプルな内容だ。いや、あまりにもゆっくりで、物語がほとんど進まない。冒頭のシーンなど技術的に動く絵の迫力は増したが、これまでのエヴァ・シリーズの最大の特徴だったスピード感や編集のリズム感がまったく削がれてしまったのは残念だった。同時上映の『巨神兵東京に現わる』は、特撮博物館でも見たが、やはり映画館の大スクリーンがよい。都市の破壊シーンにおいて、CGではなく、徹底してモノを使うことで得られる物質感がよくわかる。劇中の言葉がカッコいいと思ったら、舞城王太郎が担当していた。短編だが、『エヴァQ』におけるサードインパクトも彷彿させる世界観である。
2012/11/22(木)(五十嵐太郎)