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特集展示 ピカソの版画と陶芸

2013年06月01日号

会期:2013/04/06~2013/07/15

国立国際美術館[大阪府]

同館の寄託作品のなかからピカソの版画と陶芸作品を厳選し紹介する展覧会。20世紀美術を代表する巨匠パブロ・ピカソ(Pablo Picasso, 1881-1973)は作風がめまぐるしく変化した画家として有名だが、同時に版画や陶芸作品も数多く残している。同展で紹介されているように、初期版画の仕事のなかで、とくに顕著なのは物語性に富む連作。古代ギリシア・ローマの世界や神話的テーマを多く扱っていた。ピカソの陶芸の仕事は1947年夏にはじまったようだが、以来、3,300点を超える作品を制作したという。どの作品も中国の青磁のような完璧さや完成という概念にとらわれることなく、自由で鮮やかである。エネルギッシュな天才が素材(=土)の味を楽しんでいたような気がした。[金相美]

2013/05/10(金)(SYNK)

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