2021年09月15日号
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artscapeレビュー

プレビュー:マギー・マラン『サルヴズ』

2013年06月01日号

会期:2013/06/15~2013/06/16

彩の国さいたま芸術劇場[埼玉県]

今月は珍しく海外の作品、マギー・マランの『サルヴズ』に期待したい。マランは、カンパニー・マギー・マランを率いるフランス・ヌーベルダンスの代表的女性振付家。1981年の作品『メイ・ビー』が異例のロングラン・ヒットを記録したことでも知られている彼女だが、2010年に初演された今作では、舞台上にさまざまな災難、悲劇的な出来事、怒りや悲しみの世界が展開するのだという。ネット上で公開されている動画を見ると、ゴヤやドラクロワの戦争・革命を主題とした絵画作品が舞台上を行き来するなど、たんに個人の問題に留まらない人類史を意識させる仕掛けが用意されているようだ。ピナ・バウシュの作品とも通底している演劇的な要素が含まれたダンスを得意とするマランが、社会の矛盾をどう舞台化し、それとどう向き合っているのか、そしてそうした取り組みがぼくたち東日本大震災以後を生きている日本人にどう響くのか、それを客席で確認したい。

2013/05/31(金)(木村覚)

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