artscapeレビュー
宮本承司 木版画展
2014年03月01日号
会期:2014/01/31~2014/02/16
アートゾーン神楽岡[京都府]
若手ながら、お寿司をモチーフにした木版画作品で注目を集めている宮本承司。その特徴は、モチーフを半透明で表現していることと、シャープな造形が醸し出す無菌的な質感である。本展では、代表作のお寿司や果物のシリーズだけでなく、葛飾北斎の《冨嶽三十六景》を食べ物で表現した愉快なパロディーや、小説の挿絵を想定して描いた連作など、新しい試みも見られた。また版木の展示や、来場者へのお土産ハガキを公開制作するなど、サービスもたっぷり。意外にも今回が地元関西で初個展ということもあり、本人が「全部のせ」と言うとおりの大盤振る舞いであった。
2014/02/02(日)(小吹隆文)