artscapeレビュー
熱情と冷静のアヴァンギャルド
2014年03月01日号
会期:2014/01/17~2014/03/05
dddギャラリー[大阪府]
ロシア・アヴァンギャルド、デ・ステイル、バウハウスといった1920~30年代のアヴァンギャルディストから、50~60年代に影響力をもったスイス派やオランダのグラフィック作品まで約50点が揃う、小規模ながらたいへん充実した展覧会。ポスターのみならず機関誌・カタログ等が展示され、20世紀モダンデザインの潮流・展開、芸術家同士の相互交流について理解できるように配慮されている。前述のビック・ネームから、珍しいところではチェコ・アヴァンギャルドの諸作品も見ることができる。社会的ユートピアを追求する戦前のモダニストたちの熱い息吹を感じさせるものから、戦後における理知的・論理的に構成されたグラフィック作品群、そしてユーモア溢れる表現まで、十分にその世界を堪能できる。大阪新美術館建設準備室のデザイン・コレクションの質の高さにも目を瞠らされる。と同時に、同ギャラリーの外装や展示のデザイン、素敵に工夫されたデザインの変形リーフレットにも注目。[竹内有子]
2014/02/20(木)(SYNK)