artscapeレビュー
鴻池朋子「根源的暴力」
2015年12月15日号
会期:2015/10/24~2015/11/28
神奈川県民ホールギャラリー[神奈川県]
展覧会場は一方通行になっているので順番に見ていく。皮革にオオカミやタヌキの絵を描いたマント、惑星や大地と一体化した子どもの顔、原始生物みたいな陶製の彫刻、色も艶もテクスチャーも人体の一部を連想させる陶片、故郷秋田の雪山の映像、おびただしい量のドローイング……。皮や陶など多彩な素材が使われている。最後の大きな展示室には高さ7メートル、全長20メートル近くありそうな皮革製の緞帳がかけられていてびっくり。とくに流れに沿ってストーリーがあるわけではなさそうだが、全体では大きな物語があって、ひとことでいえば「自然との交感」だろうか。会場が暗いせいもあるが、ラスコーやアルタミラの洞窟壁画に通じる呪術的な動物との交信を思い出させる。渾身の展覧会。
2015/11/23(月)(村田真)
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