artscapeレビュー
豊島
2016年09月15日号
[香川県]
豊島へ。イオベット&ポンズの《マルチ・バスケットボール》、周囲の家屋群にもある庇を拡大した島キッチン、青木野枝の自然に溶け込む屋外彫刻、ピピロッティ・リストの映像、レーベルガーの大胆なグラフィックによる内装、横尾忠則+永山祐子のガラスで分割した家屋など、いくつかのサイトを再訪する。ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラーの《ストーム・ハウス》は、外は晴天にもかかわらず、室内に入ると窓越しに雨や雷を体験し、窓学的にはマグリットの絵と近い。
新作としては、大竹伸朗の《針工場》が、シンプルながらモノの存在感が強い。ガラス窓だけを残して、スケルトンにした工場の棟を支える裏返しにされた漁船の大きな木型が異彩を放つ。スプツニ子!+成瀬猪熊の《豊島八百万ラボ》は、斜めに鉄骨梁を挿入した古民家の内外で、PV的な科学とアートの融合+神道的な雰囲気を演出する。
写真:左上=レーベルガー 左下=永山祐子 右上=スプツニ子
2016/08/14(日)(五十嵐太郎)