artscapeレビュー

《大木代吉本店》ほか

2016年09月15日号

[福島県]

3.11のときに震災の被害が甚大だった福島県の矢吹町へ。岩堀未来、野上恵子、長尾亜子による《大木代吉本店》(酒蔵復興計画)を見学する。細長い敷地に並ぶ被災した20棟余の状況を調べ、杉板や赤瓦などの特徴を共有・維持しつつ、補強や再構築を行なう。特に商店街に面した店舗は小屋組を残す一方、その下部をほぼ入れ替え、合板の表情に変える。その後、酒蔵近くの《矢吹町みんなの家》へ。長尾+野上+腰原幹雄+矢吹町商工会が手がけたとんがり屋根のパヴィリオンである。屋根裏を見上げると、カラフルな不連続垂木がぎっしり。これでみんなの家はほぼコンプリートした。そばに酒蔵チーム+倉本剛、あるいはスタジオ・クハラ・ヤギらによる災害公営住宅群や太田浩史の集会施設が、道路を挟み展開している。

写真:左上2枚=《大木代吉本店》 左中下=クハラ・ヤギ 左下=酒蔵チーム 右上2枚=《福島矢吹町みんなの家》 右下=《第一区自治会館》

2016/08/17(水)(五十嵐太郎)

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