artscapeレビュー

ときたま展 ぷらたま生誕!

2016年09月15日号

会期:2016/08/22~2016/08/27

巷房[東京都]

ペラペラの透明なプラスチック板「プラバン」に、油性ペンで絵を描いて切り取り、トースターで熱すると3分の1ほどに縮まって手ごろなアクセサリーとなる。知らなかった。ときたまは1年前これにハマって半年足らずで千個を越えた。次にサイズを大きくしたり、3枚組み合わせて自立する彫刻にしたりどんどん進化。全部で1500個ほどになり、「ぷらたま」と名づけて個展を開くことにしたという。3階の巷房1では大作(といっても30センチくらい)を百個ほど、地下の巷房2では透明な袋に入れた小品を千点ほど、階段下には数百個を床にインスタレーションしている。しかしいくらハマったとはいえ、絵を描くのが好きじゃなかったと自認する人(だから描かれているのは抽象パターン)が、1年たらずで1500個もつくるか? 本人いわく「人間、何がやってくるか分からない。天からやって来たとしかいいようがない」。抽象パターンといい、天啓といい、集中力といい、ある種のアウトサイダーアートを思わせる。

2016/08/26(金)(村田真)

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