2021年03月01日号
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artscapeレビュー

井上隆夫の世界展

2009年11月01日号

会期:2009/10/06~2009/10/25

ギャラリー白川[京都府]

ギャラリー1階に並んでいるのは、一部が焼けた木の柱や、内装の一部など、建築廃材の数々。一部が焼けた木の柱や、内装の一部などだ。しかし、実はこれらは廃材ではない。古新聞やチラシを無数に重ねたものから削り出され、着色して作られたオブジェなのだ。造形があまりにも精密なため、説明を聞かなければその事実に気付かない人も多い。井上は決してフェイクを作りたいのではなく、役目を終えた紙を再び木材に戻して、新たな生命を与えたいのだという。いっぽう2階では、以前の代表作によるインスタレーションを展示。和紙で半円形を作り、軸の上に固定された花のような立体作品だ。極めて薄く軽いそれらは、人が通るだけで揺らめく。その様子は、まるで花畑のように美しかった。

2009/10/06(火)(小吹隆文)

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