2021年03月01日号
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artscapeレビュー

一蝶リターンズ ~元禄風流子 英一蝶の画業~

2009年11月01日号

会期:2009/09/05~2009/10/12

板橋区立美術館[東京都]

元禄の画家、多賀朝湖(たが・ちょうこ)、後の英一蝶(はなぶさ・いっちょう)の展覧会。近年新たに発見された作品も含めて50点が一挙に公開された。さまざまな身分の人びとが同じ門の軒下で雨宿りをする光景を描いた《雨宿り図屏風》のように、一蝶の絵には清濁併せ呑む度量の大きさと、滝浴びをするお不動さんが背中の炎が消えないように剣と一緒に脇へ置くしぐさを描いた《不動図》のように、茶目っ気のある可笑しさがある。そのほかにも、盲人の坊主が茶をひいているところに、紙をぶらさげた棹で背後からくすぐる《茶坊主》、鳥居に千社札を貼るのではなく直接筆で書いてしまおうとして、長い棒の先に筆をくくりつけて人の背中によじ登って手を伸ばす《社人図》など、滑稽で悪戯心に満ちた作風がなんとも魅力的である。

2009/10/11(日)(福住廉)

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