artscapeレビュー

2011年11月15日号のレビュー/プレビュー

プレビュー:ひらいゆう「境界──マダムアクション」

会期:2011/11/11~2011/12/12

Tokio OUT of Place[東京都]

フランス在住の写真家ひらいゆうが15年ぶりに東京で個展を開催。今展では、筋肉隆々の男児向け人形玩具 “アクションマン” を女装させ、生きているかのように写真で表現したシリーズ「マダムアクション」と、風景写真シリーズ「BLUEs」とを組み合わせ、虚構と現実のはざまを浮遊しさまよう作家の心象世界を表現する。今年7月に京都で開催した個展での発表作品に加え、未発表作品、新作も展示される予定。女装させた“アクションマン”はすこし不気味で滑稽なのだが、どこかもの悲しく妖し気な美しさにも引きつけられる写真の連作。新作も気になる。

2011/11/15(火)(酒井千穂)

プレビュー:しまだそう「B面の界隈」

会期:2011/11/23~2011/12/05

spectrum gallery[大阪府]

建物などの幾何学的な背景や効果線といった、マンガで用いられるような手法も取り入れているためか、しまだそうの荒唐無稽な作品世界は躍動感とスピード感も印象に残る。今回は、大阪にある明治時代の長屋を改装した複合ショップの二階にあるギャラリーでの展示。いろんなものがごちゃまぜに描かれる作品もさることながら、展示空間自体も個性的で面白そう。どんな展示になるのか見てみたい。

2011/11/15(火)(酒井千穂)

プレビュー:日本ベルギー版画国際交流展

会期:2011/11/18~2011/12/11

京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA[京都府]

今年の春に開催された「ベルギー&日本 当世版画交流展 Part 1」の続編となる展覧会。「Part 1」は小品を中心にしたものであったが、今回が本展で、ベルギー作家、関西在住の作家など総勢51名の参加作家がそれぞれ最新作を展示する。各々の技法、表現の趣きなど、さまざまな角度から版画表現を楽しむことができそうだ。18日には京都市立芸術大学でイングリッド・ルドンによる講演会も開催される。

2011/11/15(火)(酒井千穂)

プレビュー:龍野アートプロジェクト2011 刻の記憶

会期:2011/11/18~2011/11/26

うすくち龍野醤油資料館周辺の醤油蔵/龍野城/聚遠亭[兵庫県]

たつの市の城下町に残る古い醤油蔵や龍野城など、文化遺産に美術作品が展示されるアートプロジェクト。地域在住、出身の美術作家、フランス・ルーアン市美術学校卒業生のほか、招待作家として尹煕倉、東影智裕、小谷真輔が参加する。このプロジェクトのブログでは、展示会場となる醤油蔵の内壁を塗り直すワークショップや掃除が地元の高校生を交えて行われている様子や、フランスの作家と地元の人々の交流も紹介されている。少し遠く感じる場所だけれど、この機に足を伸ばしてみたいところだ。

2011/11/15(火)(酒井千穂)

プレビュー:梅田哲也 展「大きなことを小さくみせる」

会期:2011/11/12~2011/12/04

神戸アートビレッジセンター[兵庫県]

家電製品や日用品を用いた自作の装置と風などの自然現象を組み合わせた作品を発表している梅田哲也の個展。12月4日には朝食を楽しみながら参加、観覧するというユニークなライヴイベントも。今展と同時期に大阪で開催される、「小さなものが大きくみえる」という展覧会の会場は木造アパート。場所の特性を活かしたインスタレーションになることには違いないが、まったく異なる趣きの空間でどのような作品が展開するのかどちらも見てみたい。

2011/11/15(火)(酒井千穂)

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