2022年05月15日号
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artscapeレビュー

2011年11月15日号のレビュー/プレビュー

第26回 国民文化祭・京都2011「COLORS OF SEASONS──大舩真言/高橋治希展」

会期:2011/10/29~2011/11/06

京都芸術センター[京都府]

「国民文化祭・京都2011」にあたって開催された「京の暮らしの文化展──折々のいろどり」の関連企画として同時期に行なわれていた高橋治希と大舩真言の作品展示。同センター南北のギャラリーでそれぞれ9日間展示された。薄い陶器でつくられた沢山の白いパーツが植物の葉のように螺旋を描きながら伸び上がっていくイメージの高橋の立体インスタレーションは、作品に近づくときに思わず息をひそめてしまうほど繊細で危ういバランスに見えた。張りつめるような緊張感と儚い雰囲気がたいへん美しい空間だった。大舩は、ギャラリーの壁一面を使った大作一点を展示。入口の扉を開けるとギャラリー空間は設置された壁で遮られているが、その暗い通路を進むと、奥に一段高い台があり、反対側の壁面に巨大な作品が展示されていた。深い奥ゆきを感じさせる岩絵の具独特の色彩と、壮観な自然の景色を思わせる大画面に目が釘付けになる。小学生が近づいたり離れたり、寝転がったり、いろいろな角度でずっと眺めていたというエピソードを後で聞いたのだが、その場から離れがたくなる魅力的な佇まいの絵画。見る角度や作品との距離、視線の高さ、照明が与える印象の違いなど、さまざまな点が考慮されていたのもよくわかる展示であった。どちらのアーティストの発表も見応えのあるものであったが、それだけにたった9日間の会期だったのがもったいない。
写真キャプション:会場風景

2011/10/29(土)(酒井千穂)

モエレ沼公園

モエレ沼公園[北海道]

前回来たとき(真冬)まだ造成中だったモエレ沼に行こうとして吹雪に遭い、危うく遭難しかけた苦い経験がある。そのリベンジに燃える今回は早起きして地下鉄とバスを乗り継ぎ、朝8時半に到着。ちょっと早すぎたみたいで、レンタサイクルも開いておらず、しばらく待つハメに。いざ自転車に乗って出発したが、ほとんど無人でさびしいよお。ぐるっと一周し、モエレ山に登り、遊具を楽しみ、ガラスのピラミッドを堪能する。これは子どもと来たら1日遊べるなあ。ちょっと気になったのは、完成からまだ10年もたってないのにコンクリートの道や階段にひび割れが目立ち、遊具のカラフルな塗装がはがれかけていること。かつてゴミ処理場で、その前は名前のとおり沼地だったはずだから地盤がゆるいのではないかしら。入場無料だからメインテナンスもままならないのかも。よけいなお世話だが。

2011/10/29(土)(村田真)

ギヨム・ボタジ展「HOPE 2011」

会期:2011/09/16~2011/11/13

札幌宮の森美術館[北海道]

ある人からぜひ行くように勧められていたのだが、地図で探しても美術館が見つからず、住所を頼りにたどり着いてみれば、白亜の建物の前にシルクハットのドアボーイが待ちかまえていた。なんと結婚式場付属美術館だった。その白い外壁には色鮮やかな有機的形態が描かれていて、公開制作中だそうだ。館内には、細胞組織を拡大したような丸っこい形態をモチーフにした抽象画が展示されている。20世紀のモダンアートといった風情で、とくに新しさは感じられないが、洗練された色彩と形態はさすがフランス人なセンスであった。

2011/10/29(土)(村田真)

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表現するファノン──サブカルチャーの表象たち

会期:2011/10/29~2011/11/23

札幌芸術の森美術館[北海道]

ぼくも出させてもらっている展覧会。これは3年後に予定されている札幌ビエンナーレのプレ企画という位置づけで、プレ企画全体が「アートから出て、アートに出よ。」をテーマにしているらしい。つまりアートのど真ん中を行くのではなく、アートの周縁を行ったり来たり出たり入ったりするサブカルチャーを軸にしようということのようだ。なぜそうなのかといえば、初音ミクが札幌出身だからというのがひとつの理由だといわれている。「らしい」とか「ようだ」とか「いわれている」とか曖昧な書き方しかできないのは、すべて受け売りだからです。もうひとつ受け売りすると、タイトルの「ファノン」とはファン+カノン(基準・規範)の造語で、「ファンやユーザーによって生成されるコンテンツやその活動」を指すらしい。知ってた? そんなわけで展覧会も、レトロかつ未来的に改造したカスタムバイクが何台も並んでいたり、台上に立つと周囲のスピーカーから拍手喝采が鳴り響いたり、展示室にメイドカフェを設けたり、サブカル的オタク的コンテンツがいっぱい。で、なんでぼくの作品が出ているのかというと、画集をそのまま描いたぼくの絵が「2次創作」に当たるからだそうだ。なるほどそういう見方もあったのか。まあ出していただけるなら理由はなんでもいいけどね。

2011/10/29(土)(村田真)

リニモ沿線ミュージアムウィーク 記念文化フォーラム

会期:2011/10/29

愛知県陶磁資料館 地下講堂[愛知県]

愛知県陶磁資料館にて、「アートの国際展からまちなか展開へ」の講演を行う。これにあわせて、リニモ沿線ミュージアムウィークの関連施設をまわる。長久手町郷土資料室では伝統芸能、棒の手の映像を楽しみ、トヨタ博物館では乗れる状態で保存するコレクションに圧倒され、名都美術館では冬の絵と美人画を鑑賞し、愛・地球博記念館では万博の痕跡を見出しつつ、アトリエ・ワンの建築も見学した。会場となった谷口吉郎設計の愛知県陶磁資料館は、過去の陶磁を通じて、世界旅行するという見たてのセクションがある一方、アートに近い現代の焼き物を陳列するスペースも設けられていた。「資料館」という名前だと損かもしれないと思うほどに、膨大なコレクションを誇る。奥深いエリアである。

写真は上から、
トヨタ博物館
アトリエワン《地球市民交流センター》

2011/10/29(土)(五十嵐太郎)

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