2019年07月15日号
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artscapeレビュー

2009年02月01日号のレビュー/プレビュー

石田徹也──僕たちの自画像展

会期:11/9~12/28

練馬区立美術館[東京都]

石田徹也の回顧展。時代順に作品を展示することで、石田徹也の「自画像」の変遷を丁寧に追っていく構成となっていた。一昨年の静岡県立美術館での回顧展と同様、今回も来場者が自由に書きこめるノートが会場に用意され、そこにはさまざまな思いが書き留められていた。

2008/12/26(金)(福住廉)

山本竜基 「私 心 景」

会期:11/26~1/17

MIZUMA ART GALLERY[東京都]

自分をモチーフにしたリアルな絵を描く山本竜基の新作展。無限増殖する「わたし」の光景を描いた前回の個展から打って変わり、今回は自分の母親をモチーフにした作品が目に付いた。学生時代の母親を写した写真をもとに同時代の自分の姿を重ねて描いた大作は、たしかにマザコン魂が全開した作品といえるが、その一方で意外なことに「母親」というモチーフが現代美術のテーマとして十分に扱われてこなかった経緯を考えると、山本の試みは画期的といっていい。「自分」や「実母」という、ふつうは正面から向かい合うことを避ける対象に、真正面から対峙するたくましい心意気が、山本竜基の強さだ。

2008/12/27(土)(福住廉)

島袋道浩 展:美術の星の人へ

会期:12/12~3/15

ワタリウム美術館[東京都]

世界中のさまざまな土地で作品を制作している島袋道浩の個展。見所はゴルフの打ちっぱなしを体験させるコーナー。たぶんこういう機会がなければ一生ゴルフなんてやらないアートの人たちは、ぜひ体験しておくべき。

2008/12/28(日)(福住廉)

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ウィーン美術史美術館所蔵 静物画の秘密展

会期:1/6~3/29

兵庫県立美術館[兵庫県]

静物画展といいつつも、静物画的な要素を含む風俗画や肖像画も含めて紹介されていた。この手の作品は絵解きになっていることが多く、モチーフの意味を理解している方がより楽しめる。でも、日本にそんな知識を持つ人がどれぐらいいるのだろう。もちろん私も詳しくないので、寓意よりもテクニックに注目することが多かった。ギョッとしたのは市場の様子を描いた幾つかの作品。解体された牛がドーンと描かれている。ダミアン・ハーストの作品も案外ルーツはこの辺なのかも。そういえば高橋由一の新巻鮭に似た絵もあった。新年早々変な所ばかりに目が行く。困ったものだ。

2009/01/06(火)(小吹隆文)

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放浪の天才画家 山下清

会期:1/2~1/7

東急東横店西館8階特設会場[東京都]

「裸の大将」としていまも高い人気を誇る、山下清の大々的な回顧展。初期の「ちぎり紙細工」から、日本全国を放浪して描いた「貼絵」、さらには句読点が一切ない日記、ヨーロッパを描いたペン画、陶器、記録映像などを網羅的に展示した。なかでも興味深かったのは、ゴッホの墓を訪ねたとき、その隣の墓のほうが格好良かったにもかかわらず、ゴッホの墓を描けといわれて、仕方なく描いたというエピソード。「天才」という神話が、決して純度100%であるわけではなく、ある程度は人為的に作られたものであることを、山下清自身が物語る、貴重な証言だった。

2009/01/06(火)(福住廉)

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