2019年12月01日号
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artscapeレビュー

2010年05月01日号のレビュー/プレビュー

上田順平 展 パート1「帰ってきたウラシマピーターパン」、パート2「カンゲン」

イムラアートギャラリー[京都府]

会期:2010/04/03~2010/04/10、2010/04/13~2010/05/01

会期前半は「帰ってきたウラシマピーターパン」と題し、08年に岡本太郎現代芸術賞展で岡本敏子賞を受賞した《ウラシマ・ピーターパン》を、受賞時の状態に似せて展示。後半の「カンゲン」は、これまでの過剰な装飾性とは一線を画する埴輪のような新作陶オブジェ5点が発表された。今秋から1年間のメキシコ留学に旅立つ上田は、さらなる飛躍のために自分をリセットするつもりで新作を発表したのかもしれない。一時の成功に安住せず、果敢に前進する上田の姿勢に共感した。

2010/04/14(水)(小吹隆文)

死なないための葬送……荒川修作 初期作品展

会期:2010/04/17~2010/06/27

国立国際美術館[大阪府]

荒川修作が1961年に渡米する直前に、村松画廊と夢土画廊で発表した棺桶型の立体作品。それらののうち20点が集結した。木の箱に納められたオブジェは内臓や汚物を思わせるグロテスクさで、なかには女性の生理用品を思わせるものも。それらが光沢のあるクッションの上にうやうやしく横たわっている姿はどこか滑稽でもある。作品を見るうち、D・クローネンバーグの映画を見た後のようなどんよりした気持ちになった。

2010/04/16(金)(小吹隆文)

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絵画の5つの部屋

会期:2010/03/27~2010/07/04

兵庫県立美術館[兵庫県]

兵庫県立美術館が所蔵する「山村コレクション」を中心に、現代絵画の名品を5部構成で展覧。なかでも白髪一雄の大作10点が並んだ第4部は見応えがあった。所蔵品をアレンジして常設展示に付加価値を与える試みは大歓迎。今後も工夫を凝らして美術館のポテンシャルをどんどん引き出してほしい。

2010/04/17(土)(小吹隆文)

Lady GaGa『The Monster Ball Tour』

会期:2010/04/17~2010/04/18

横浜アリーナ[神奈川県]

まさに「怪物の舞踏会」といった光景。今日の世界的ポップアイコンが見せたのは、美しさでも女らしさでも、若々しさでもなく、といって脱ジェンダーでもなく、ビッチでアグリーなものがもつ解放の可能性だった。現代美術のデータベースからグロテスクで強烈な肉体のイメージを取り出して、ファスト・ファッションみたいにシンプルかつチープに変換して活用する。衣装や楽器、舞台美術、ダンスに、そうした試行が随所に垣間見えた。現代美術だけではない、もっと濃厚に感じられたのはニューヨーク・ローカルのテイストと想像できる、悪趣味で、ぶざまで、キャンピーな、ゲイ的またクイア的イメージ。なかでも、両乳首と股間から3つの火花を激しく噴射させる衣装(「パパラッチ」)には大爆笑させられた。こうした爆笑のもつ解放感がじつに魅力的なライブだった。こうしたアグリーなテイストは、国内において不可思議なほどに、どんどん消極化している昨今だからこそ、このえがたい解放感に日本の観客は酔わされ踊らされたように感じた。

2010/04/18(日)(木村覚)

プレビュー:アートフェア京都/超京都 現代美術@杉本家住宅

アートフェア京都
会期:2010/05/07~2010/05/09
ホテルモントレ京都4F客室[京都府]
超京都 現代美術@杉本家住宅
会期:2010/05/15~2010/05/16
杉本家住宅[京都府]

5月の京都で2つのアートフェアが2週連続で開催される。ひとつはホテルのワンフロアを貸し切って開催される「アートフェア京都」。もうひとつは文化財の伝統建築が舞台の「超京都」だ。関西のアートフェアといえば、大阪の堂島ホテルで開催されている「ART OSAKA」があり、昨年は神戸でも「アートマルシェ」が開催された。さらに京都で2つと聞くと、さすがに飽和感は否めない。アートフェア林立というこれまでになかった状況は、関西の美術業界にどのような影響を及ぼすのだろう。ともかく現場に出かけて、その次第を確認しておきたい。

2010/04/20(火)(小吹隆文)

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