毎月1日、15日号発行の美術館・アート情報をお伝えするWebマガジン(次回5月15日更新予定)

artscapeレビュー

スマートイルミネーション横浜

2011年11月15日号

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会期:2011/10/07~2011/10/09

象の鼻パーク+山下公園+元町ショッピングストリートほか[神奈川県]

横浜港発祥の地にある象の鼻テラスが、「都市観光とアートの融合」を目指して展開する光を用いたアートプロジェクト。都市の夜景を彩るイルミネーションといえば、阪神大震災の起きた1995年に始まる神戸ルミナリエがまず思い浮かぶ。地震後にイルミネーションが発想されたのは、犠牲者の鎮魂と都市の復興にふさわしいと考えたからだろう。この「スマートイルミネーション」にも、きっとそんな思いが込められているに違いない。もちろん「ブルー・ライト・ヨコハマ」からの連想もあるが。プレスツアーは、イルミネーションスーツをまとった日下淳一がうろつく象の鼻からスタートし、藤本隆行らがライトアップする通称キング、クイーン、ジャックの3塔を見ながら、高橋匡太による《ひかりの実》を設置した元町商店街や山下公園などをバスで巡回。いったん象の鼻に戻り、今度は船に乗って海から夜景をながめる約1時間のナイトクルーズ。これは快適、まさに「観光」。でも全体的にイルミネーションはちょっとさびしかったなあ。とくに元町商店街ではほとんど目立たない。鎮魂と復興が隠れテーマならもっとハデに繰り広げてほしかったけど、震災と津波だけでなく原発事故まで引き起こしてくれたおかげで、消費電力を抑えなければならない事情もある。目立ちたいけど目立っちゃいけない──この矛盾を解決する最終兵器が、省エネのLEDだ。タイトルの「スマート」にも省エネの意志が組み込まれている。

2011/10/07(金)(村田真)

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