2018年06月15日号
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artscapeレビュー

近代日本の社会と絵画──戦争の表象

2015年06月15日号

会期:2015/04/11~2015/06/07

板橋区立美術館[東京都]

鎌倉から乗り継いで成増で「戦争画」仲間と合流し、板橋と練馬をハシゴ。板橋区美は駅から遠いけど、コレクション展なので入場無料なのがうれしい。ほんとは公立美術館はすべて入場無料が原則のはずなんだけど。さて、タイトルは「戦争の表象」だが、第2次大戦前後(おもに30-60年代)に描かれた絵画を集めたもので、必ずしも戦争がモチーフになっているわけじゃなく、いわゆる戦争記録画は皆無。でも新海覚雄の《貯蓄報国》のような銃後の風景や、山本日子士良や古沢岩美のように従軍中に戦地で描いたスケッチもある。おそらく美術館としては、戦時中にもかかわらず戦争とは関係ない主題に取り組んだ松本竣介や麻生三郎、寺田政明ら新人画会をメインにしたかったんじゃないかと思うけど、それ以上に目立ったのが古沢岩美、福沢一郎、小川原脩、高山良策、山下菊二らシュルレアリスム系で、ざっと半数を占めている。板橋はとくに多く集めたのかもしれないが、30年代に一部でシュルレアリスムが猛威を振るったのも事実だろう。それにしてもシュルレアリスムと戦争とは近そうで遠い、およそ思想的にも表現的にも水と油のような関係のはず。だとすれば、シュルレアリスムから戦争画に流れた画家たち(同展には出品されていないが福沢も小川原も山下も戦争画を描いた)は、両者をどのように融合させたのか、あるいは融合させなかったのか、興味深いところではある。

2015/05/01(金)(村田真)

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