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浮世絵・神奈川名所めぐり

2017年06月15日号

会期:2017/04/15~2017/06/11

平塚市美術館[神奈川県]

「リアルのゆくえ」のついでに見る。広重の《東海道五十三次》や北斎の《富嶽三十六景》から、明治の小林清親、昭和の川瀬巴水あたりまで、おもに神奈川の名所風景を描いた浮世絵の展示。川崎・砂子の里資料館館長の斎藤文夫氏のコレクションだそうだ。浮世絵は元来手にとって鑑賞するものだから、サイズは小さいし線も細く、美術館で鑑賞するには向いてない。おまけに大量に刷られた印刷物だから、画集で見れば十分だ。とつねづね思っているので、約200点を5分ほどで通過。1点1.5秒の計算だが、そうやって作品の前を通りすぎることで、やっぱり北斎は飛び抜けているなとか、明治以前と以後とでは徐々に空間把握が変化しているなとか、違いが見えてくることもある。なんてね。

2017/05/07(日)(村田真)

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