2017年11月15日号
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artscapeレビュー

建築Symposion──日独仏の若手建築家による──「かげろう集落~日独仏の建築家が提案する小さな公共空間群」

2017年11月01日号

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会期:2017/08/26~2017/09/03

京都芸術センター グラウンド[京都府]

監修として関わった京都芸術センターの「かげろう集落~日独仏の建築家が提案する小さな公共空間群」展がスタートした。これは日本、ドイツ、フランス、デンマークに拠点を置く6組の建築家がかつての校庭にパヴィリオン群をつくり、来場者にその使い方を自由に想像させる試みである。わずか9日間だけ出現する仮説の場だが、だからこそ可能な空間の実験を行ない、われわれにいかなる想像力を喚起させるかを問う。格子状のルーフ、中庭をおおうテープ、ユーモラスな丸太群、地上の切妻屋根、水をまく塔、穴あきパネルの遊び場、横断する廊下、そして音を出す悦楽の山車。ポエティックな建築の断片で構成された、はかない蜉蝣/陽炎の集落が、形態と機能の関係を切断する。オープニング・パーティでは、日射しが厳しくない夕方、人があちこちに散らばり居場所をみつける雰囲気がよい。地域のパフォーマーたちがパヴィリオン群を活用して演じたのだが、空間の可能性を引き出す手腕はお見事である。また子どもや地元のおじさんも自然とそこに混ざり、魅力的な場になっていた。

写真:左上=加藤比呂史《人々をこの場所を織りこむ、落書き》 左下=スヴェン・プファイファー《危ない遊び場》 右上から=ドットアーキテクツ《町屋の滑り屋根》、ルードヴィヒ・ハイムバッハ《形のない悦楽のフロート》、加藤比呂史《京雑草の庭》

2017/08/26(土)(五十嵐太郎)

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