2018年10月15日号
次回11月1日更新予定

artscapeレビュー

2016年09月15日号のレビュー/プレビュー

あいちトリエンナーレ2016 虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅

会期:2016/08/11~2016/10/23

愛知芸術文化センター[愛知県]

メイン会場の愛知芸術文化センターでは、小ホールでダニ・リマの日用品と戯れるにぎやかなパフォーマンス(最後のモノによる芝居が笑えた)を鑑賞してから、展示フロアに向かう。今回は巨大な倉庫である納屋橋の会場が消えたが、ここで大巻伸嗣、リウ・ウェイ、味岡伸太郎、森北伸らの大型インスタレーションが楽しめる。前回呼びたかったマーク・マンダースも、不気味な作品で興味深い。ほかにグレッツィンガーの巨大な想像地図やニダル・シャメックのドローイングが印象に残る。建築系では、assistantの松原慈による盲学生の小さな陶磁器作品を置く台座群がカッコいい。また衣服を交換する西尾美也のプロジェクト展示のために、403 architecture[dajiba]が空間デザインを担当する。

写真:左=上から、森北伸、大巻伸嗣、マーク・マンダース 右=上から、グレッツィンガーの巨大な想像地図、assistant、西尾美也

2016/08/10(水)(五十嵐太郎)

あいちトリエンナーレ2016 虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅

会期:2016/08/11~2016/10/23

名古屋東急ホテル[愛知県]

前回は愛知芸文センターの吹抜けをオープニングに使ったが、今回は近隣のホテルの宴会場でも入りきらないほどの大勢の参加者だった。その後、関係者の懇談会では、建畠晢さん、港千尋さんと並び、歴代芸術監督の記念撮影を行なう。初回の祝祭性を継承しながら、テーマ性や場所性を打ち出した前回の2013に対し、あいちトリエンナーレ2016はカラフルな横断的リサーチプロジェクトへの旅を感じる。

2016/08/10(水)(五十嵐太郎)

あいちトリエンナーレ2016 虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅

会期:2016/08/11~2016/10/23

愛知芸術文化センター、名古屋市美術館、長者町ほか[愛知県]

3回目のあいちトリエンナーレ、今年は芸術監督に港千尋を迎え、「虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅」をテーマに、名古屋だけでなく岡崎、豊橋でも開催。ぼくは日帰りのため名古屋しか見ていない。テーマの「キャラヴァンサライ」とは旅の家、隊商宿のこと。芸術とは未知への旅のことだから、さまざまな国から人々が集まる芸術祭をキャラヴァンサライと位置づけ、さらなる旅の英気を養おうではないか、ということらしい。テーマというより意気込みですね。
まずは名古屋市美術館から。沖縄の建物の壁に残る砲撃跡をフロッタージュした岡部昌生の作品をすぎると、ジョヴァンニ・アンセルモ、小杉武久といった懐かしいアーティストの名前も。地下のライ・ヅーシャンは、ほぼ正方形の展示室の床にゴミや道具類を散りばめ、壁を一周できるように高さ1メートルほどの狭い通路を設置。高みの見物ともいえるし、観客と展示物の立場を逆転させたともいえる。美術館近くのケンジタキギャラリーでやってる「イケムラレイコ展」を見て、旧明治屋栄ビルへ。古いビルの各フロアに5人が展示。おもしろいのは6台の強力な照明を上向きに設置し、上から水滴を垂らして水蒸気を発生させる端聡のインスタレーション。照明器具がちょうど目の高さにあるので内部が見えず、横から見ると鍋でなにか煮てるのかと思った。繊維問屋街の長者町では空きビルを使ったプロジェクトを展開。白川昌生は問屋街で扱っていたラクダのシャツに着目し、ラクダと日本の関係史を掘り下げている。ほかに巨大なハリボテのシャチホコも。その上では佐藤翠が鏡に描いたクローゼットの絵を展示していて、その華麗さは一見場違いにも感じるけど、これも服つながりだ。別のビルでは壁に大きく「アートより友人」と横断幕が張られていたが、これはもしかして地域アートの真髄を突いている? 昔ながらの純喫茶クラウンでは、今村文による植物モチーフの作品が壁にインスタレーションされている。見るだけでもいいのだが、なにしろ暑いのでアイスコーヒーでひと休み。考えることはみな同じらしく、ぞくぞくと入ってくる。
最後は愛知芸術文化センター。ここでは大きな空間に1組ずつゆったり見せている。とりわけ広大なスペースを使っていたのが大巻伸嗣で、体育館ほどの広さの展示室の床に顔料で花模様を制作。花模様は中央の柱から同心円状に広がっていて、観客は隅のほうに渡した橋の上から見るのだが、会期終盤には直接床の上を歩いてもらうそうだ。この大巻以外は引っかかる作品が少なく、つい素通りしてしまう。いいかげん疲れていたというのは差し引いても、前2回に見られたようなインパクトの強いスペクタクルな作品が激減し、よくも悪くもキマジメな作品が多かった印象だ。午後6時からのレセプションパーティーにも出てみた。河村たかし名古屋市長らトップが熱心なのはけっこうだが、ドラゴンズもグランパスも低迷してるからって、トリエンナーレに過剰な期待をかけるのはどうなんでしょうね。

2016/08/10(水)(村田真)

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あいちトリエンナーレ2016 虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅

会期:2016/08/11~2016/10/23

名鉄東岡崎駅ビル、岡崎シビコほか[愛知県]

2日目は岡崎と豊橋の会場をまわる。あいちトリエンナーレは2回目に二都市に増えただけでも大変だったので(その分の予算増もなく)、今回の三都市開催はおそらくかなり大変だったはず。すぐに解体されるかと思っていた駅の岡ビルはまだ残っていた。前回注目を集めた百貨店のシビコは、空きフロアにテナントが入り、展示できるスペースは減ったが、ほかに表屋のモダニズム建築や、有形文化財の石原邸の空間に介入する作品群が新しい魅力となった。

写真:上=岡崎シビコ会場 中=《表屋》 下=《石原邸》

2016/08/11(木)(五十嵐太郎)

あいちトリエンナーレ2016 虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅

会期:2016/08/11~2016/10/23

穂の国とよはし芸術劇場PLAT[愛知県]

豊橋会場は、芸術劇場に設置された大巻伸嗣さんのデカイつぼが目玉だろう。そのほか、水路上に建設され、えんえんと800m続く水上ビルのあちこちの空店舗に作品が挿入される。鳥が100羽いるラウラ・リマの空間、マルティネスのセメント袋でつくった雑誌、クルングレヴィチュスの音とテキストなどが強烈である。あいちトリエンナーレ2016は、三都市に会場が拡大し、8つのミニ企画展と言うべきコラム・プロジェクトの新設などによって、作家数も増えている。最低でも一泊を覚悟しないと、ちゃんと全体をまわることはできないだろう。豊田市美術館の杉戸洋展など、同時開催のさまざまな美術展も見逃せない。

写真:左=上から、大巻伸嗣、マルティネス 右=上から、ラウラ・リマ、水上ビル

2016/08/11(木)(五十嵐太郎)

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