artscapeレビュー
浅野真一 個展 夢
2012年12月01日号
会期:2012/11/03~2012/11/17
CUBIC GALLERY[大阪府]
浅野真一は、一貫して具象絵画による光の表現を追求する作家だ。本展では、3点組の大作油彩画をメインに、鉛筆画の小品なども出品された。メインの大作は連続する室内の情景を描いており、差し込む光の角度や調子が1点ずつ微妙に異なる。また、バルテュスの《夢》という作品の構図を引用しているのも特徴である。彼はこれまでも、精緻な表現と静けさ漂う画風で質の高い作品を発表してきた。新作で連作、引用という新たな要素が加わったことにより、今後はさらに深みのある表現世界が展開されるに違いない。
2012/11/08(木)(小吹隆文)