artscapeレビュー
マーク・ロスコ──瞑想する絵画
2009年03月15日号
会期:2009.2.21~2009.6.7
川村記念美術館[千葉県]
1958~59年、ニューヨークのシーグラムビル内のレストランを飾るために制作されたロスコの《シーグラム壁画》。結局レストランには飾られず、30点の連作はイギリス、アメリカ、そして日本に分散してしまう。今回はそのうちの半数を集めたもの。その15点が並ぶメイン会場に入ると、ちょっと感動的。薄暗いと感じるほど照明を落としたなか、広い展示室の4つの壁面のやや上方に、ワインレッドを主調とする絵画がわずか5センチ間隔で並んでいるのだ。ロスコはこの連作の展示に関して特別な指示は出してなかったらしいが、もともとレストランの壁を飾るためにつくられたことなども考えて、このような展示になったという。長時間「ロスコ浴」を楽しむには最適の展示かもしれない。
2009/02/20(金)(村田真)