artscapeレビュー
2015年07月15日号のレビュー/プレビュー
大阪国際平和センター(ピースおおさか)リニューアル「大阪空襲を語り継ぐ平和ミュージアム」
大阪国際平和センター(ピースおおさか)[大阪府]
ピースおおさかを訪れた。以前は建築が目的で来たので、リニューアルされて、加害展示が消えた実感はあまり持てないのだが、いまはテーマを大阪空襲に絞り、垢抜けた展示になっている。が、はたしてアート的なインスタレーションでいいのか? それよりも気になったのは、なぜ戦争が起き、空襲になるまでの事態を招いたかの説明がほぼない。まるで自然災害のように、悲惨な目にあいました。これでは博物館なのに、『永遠の0』みたいな構えである。
2015/06/25(木)(五十嵐太郎)
線を聴く
会期:2015/04/24~2015/07/05
メゾンエルメス・フォーラム[東京都]
エルメス財団が特別共催している森美術館の「シンプルなかたち展」に呼応する企画。こちらもカールステン・ニコライ、ニエーレ・トローニ、高田安規子・政子らの現代美術から、ロジェ・カイヨワの「石の絵」のコレクションまで幅広い。この「石」が自然に生成する図像には若いころハマったなあ。奥の展示室にはシュウ・ビンの山水画みたいな絵があるが、裏に回ると枯れ葉やガラクタなどで構成されてるという罰当たりな秀作だ。その奥には懐かしい、鯨津朝子のウォールドローイングも。
2015/06/26(金)(村田真)
京都国立博物館 深緑の記者発表会 in TOKYO 特別展「琳派──京を彩る」
会期:2015/06/26
カフェコムサ銀座[東京都]
この秋、10月10日から京博で始まる「琳派──京を彩る」の記者発表会。京博は昨年、新館が完成してから大きな特別展ごとに東京で記者発表会を開くようになったが、さすが関西、学者も笑いのツボを押さえてるし、気前よくお土産もくれる。今回は終了後にスイーツがふるまわれ、また京博のオフィシャル・キャラクターとして、尾形光琳の《竹に虎図》をフィギュア化した「虎形琳ノ丞(通称トラりん)」もプレゼントしてくれた。めでたしめでたし。ではなくて、「琳派展」。見どころはかの有名な《風神雷神図屏風》で、俵屋宗達(国宝)、尾形光琳(重文)、酒井抱一の世代を超えて描き継がれた3点が一堂に会するという。
2015/06/26(金)(村田真)
Kamerian.展 Fugly land
会期:2015/06/22~2015/06/27
ヴァニラ画廊[東京都]
タイトルの「fugly」とは「ふぐり」をアルファベット化したシャレだと思ったら、実際に英語として通用していて「fucking ugly」つまり「超醜い」という意味らしい。作品は、アメリカンコミックっぽいくっきりした輪郭線とケバい色彩の暑苦しい少女画だが、ヴァニラ画廊だもん明るいわけがなく、性と暴力がテーマ。「肉欲と暴力が支配し/汚濁の溜まりに雷鳴が轟く(…中略…)ようこそ、ここは愉快なFuglyland」なるコメントが寄せられていた。
2015/06/26(金)(村田真)
川上勉「死と変容」
会期:2015/06/15~2015/06/27
ヴァニラ画廊[東京都]
乾漆による少女の彫刻。といっても表皮は黒ずんでるうえ、肋骨が浮き上がり、棺桶みたいな箱に入ってるものもあれば、内臓がなくて上半身と下半身が脊椎だけでつながってるものもある。いずれも「スリーピングビューティー」な少女たちだ。
2015/06/26(金)(村田真)