2018年04月15日号
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artscapeレビュー

フィールドオフィス・アーキテクツ+ 聲遠の作品群(宜蘭駅周辺)

2017年02月15日号

宜蘭県[台湾、宜蘭県]

台北からバスに乗って、初の宜蘭へ。山を抜けて、目的地に近づくと、田園風景のなかに家がちらほら見える。ここでフィールドオフィス・アーキテクツ+ 聲遠の作品群をまわった。ギャラリー間の個展でも紹介していたように、街のあちこちに連続的に彼らのプロジェクトが継続/展開している。昔は弘前の前川國男、釧路の毛綱毅曠、直島の石井和紘らがそうした仕事をしていたが、いまの日本では難しそうなまちづくりが本当に実現している。まず、宜蘭の古い駅は、動物などメルヘンチックなペイントがなされ、その正面に大樹群を模した緑の有機的造形、DiuDIUDang森林の大屋根が広がる。しかも、空飛ぶ汽車を吊り、テーマパークのようだ。ランドスケープもうねうねと隆起し、ロマンティック・デコンというべき広場が出迎える。駅横の観光案内所も彼らのリノベーションだった。
隣接するにぎやかな中山小学校体育館から、進行中のプロジェクトを経て、微細な介入による156通りの小径、自然と混ざっていく旧城新掘割のランドスケープは、ポストモダンや象設計集団の用賀プロムナードなどを想起させるデザインである。点としての建築ではなく、線としてプロジェクトが連続している。

写真:左=上から、宜蘭へ向かう道中の風景、《宜蘭駅》 左下2枚=DiuDIUDang森林 右上=156通りの小径 右下2枚=旧城新掘割

2016/12/31(土)(五十嵐太郎)

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