artscapeレビュー

TWSエマージング 196/197/198/199

2013年07月15日号

会期:2013/06/08~2013/06/30

トーキョーワンダーサイト本郷[東京都]

これは「トーキョーワンダーウォール公募」の入選作から選ばれた若手作家の展示だが、今回は都現美の「公募」と同じくパッとしないなあ。齋悠記(シャレた名前!)は不定形の抽象画だが、それより角にアールをつけたパネルを使用しているのが目を引く。残念ながらそれが内部の図像と関連しているようには見えない。笠見康大は100号と130号の大作10点の展示で、どれも一貫してピンクとグレーを基調にしているが、裏返せばどれも似たり寄ったりで、どこか時代遅れの抽象画といった印象は否めない。ふたりとも抽象画だからダメなのかといえば、そうでないことはあとのふたりを見ればわかる。風間雄飛は珍しく版画で、和紙にシルクスクリーンか木版で刷っているが、描かれている図像は興味を惹くものではない。桑田まゆこは下塗りした上に小動物や植物や装飾品などをサラリと描いているが、特筆すべき点はない。なんだろ、この停滞感は。

2013/06/28(金)(村田真)

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