artscapeレビュー

みっける ビジターセンターヨコハマ

2014年02月15日号

会期:2014/01/18~2014/02/02

象の鼻テラス[神奈川県]

約40人のアーティストが横浜の街を1日歩きながらそれぞれ風景を1,000枚撮影し、それを短編映像にして発表している。師範=ディレクターはアーティストの北川貴好。作品はコマ撮りなので退屈な映画よりよっぽどおもしろいけど、映像がパカパカ変化するため見ていて疲れる。その点、タイのトーラップ・ラープジャロエンスックは画面が左右で2分割されるように撮影しているので統一感があり、見ていて疲れない。というより、彼の絵画作品と同じく世界を平面としてとらえた秀逸な映像作品になっている。でもこの展覧会でおもしろかったのは個々の作品より、展示方法だ。会場の象の鼻テラスはカフェ兼用で作品展示には向いてないため、会場内に段ボールなどでチープな小屋をいくつか建て、そのなかで上映したのだ。なかには円柱の並ぶ大倉山記念館の威容を模したショボリッパ(ショボイ+リッパ)なハウスもあり、おしゃれなテラス内でホームレスの気分に浸りながら映像を楽しめる趣向となっている。

2014/01/28(火)(村田真)

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