artscapeレビュー

松尾竜平個展「TOBIRA」

2014年02月15日号

会期:2014/01/18~2014/02/08

MATSUO MEGUMI +VOICE GALLERY pfs/w[京都府]

京都では初個展という松尾竜平。私は今展で初めて知る作家だった。アーティストのプロフィールなど詳細も知らずに見に行ったのだが、描かれた自然の風景にもどことなく不可思議な雰囲気と違和感を覚える作品や人々の顔を描いた一連の作品は、謎めいた物語の魅力にも溢れていて印象に残る。ドアの手前にリンゴが置かれた作品《りんご》をはじめ、《赤い家》《扉》《SEEING》など、タイトルと作品のやや暗い趣きがともに記憶に焼きつき、会場を出てからも気持ちが引き摺られた。作品もさることながら作家自身に興味が掻き立てられた個展。

2014/01/30(木)(酒井千穂)

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