artscapeレビュー
カタログ&ブックス│2014年2月
2014年02月15日号
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
torii
シリーズ[torii]は、「日本の国境の外側に残された鳥居」を撮影した下道基行の代表作のひとつ。前作写真集「戦争のかたち」(リトルモア)から8年、韓国光州ビエンナーレ2012での新人賞受賞や東京都現代美術館での企画展「MOTアニュアル2012/風が吹けば桶屋が儲かる」などで話題になった本シリーズが写真集になります。未発表も含む30点の写真、他にも台湾日記や取材メモなどフィールドワークの記録も掲載。シリーズの集大成。装丁は新進気鋭のデザイナー橋詰宗氏、プリンティングディレクターは熊倉桂三氏。[Michi Laboratoryサイトより]
うさぎスマッシュ 世界に触れるアートとデザイン
社会がより複雑化した21世紀に入り、デザインも大きな変化を遂げています。絶え間なく消費される「新しさ」を生むデザインとは異なり、社会に対する人々の意識に変化を与えるデザインが、今より重要性を増しているといえます。東京都現代美術館での展覧会「うさぎスマッシュ─世界に触れるアートとデザイン」では、そのようなデザインの実践に焦点を当て、高度に情報化された現代社会の様々な出来事を取り上げ、私たちの手にとれる形にデザインして届ける国内外のデザイナー、アーティスト、建築家、21組の表現を紹介します。[フィルムアート社サイトより]
福永敦展「ハリーバリーコーラス─まちなかの交響、墨田と浅草」ドキュメント
今回福永が注目するのは、東京下町の代名詞、墨田と浅草エリア。そこで集めた音を素材に、アサヒ・アートスクエアの空間を、合唱のような「音声」で満たされた体験型インスタレーション作品に変換します。この土地の様々な地域性や、ときに時代性が混じり合う、多様な文化の音風景があなたの前に立ち上がります。[Asahi Art Squareサイトより]
犬のための建築
犬のための建築は、今や人間にとって最も身近なパートナーとなった犬の尺度で建築(環境)を捉えなおすことで新たな建築の可能性を模索するとともに、人と犬との新しいコミュニケーションのかたちを提案するプロジェクトです。...本書では作家による作品解説の他、制作過程のアイディア、そして実際につくることができる図面やつくり方も掲載。また、原研哉氏と、本プロジェクトを共同企画した米投資会社のImprint Venture Lab代表取締役のジュリア・ファング氏、そして参加作家のひとりである藤本壮介氏の3人による鼎談も収録。藤本氏の作品「NO DOG, NO LIFE!」の制作秘話も明かされます。[TOTO出版サイトより]
福島第一原発観光地化計画
本書は、標題のとおり、二〇一一年の三月に深刻な事故を起こした福島第一原子力発電所の跡地と周辺地域を、後世のため「観光地化」するべきだ、という提言書です。「観光地化」とは、ここでは、事故跡地を観光客へ開放し、だれもが見ることができる、見たいと思う場所にするという意味で用いています。遊園地を作る、温泉を掘るという短絡的な意味ではありません。[本書「福島第一原発観光地化計画とは」より]
2014/02/17(月)(artscape編集部)