artscapeレビュー
サヴォア邸
2014年02月15日号
[フランス・パリ]
パリに戻り、ル・コルビュジエの《サヴォア邸》を訪問した。実は学生のとき以来だ。正確に言うと、10年くらい前に出かけたのだが、当日が休みと気づかず、門まで行って引き返したことはあるが。モノは同じままだが、以前に比べて、来場者は確実に増え、見る側の筆者も前回からだいぶ建築を学んだ。文章化された明快なテーゼと、本当はそれには回収できない複雑なかたちの組み合わせが、奇蹟の空間を生み出している。ただ、途中のスタディのプロセスが一階の部屋に展示されていたように、いきなりここに到達したわけではなく、紆余曲折を経て、現在のサヴォア邸が誕生した。
2014/01/02(木)(五十嵐太郎)