artscapeレビュー
明和電機 ナンセンスマシーンズ展
2014年02月15日号
会期:2014/01/21~2014/02/09
金沢21世紀美術館[石川県]
明和電機もデビューして20年という。そういえばすっかり忘れていたけれど、展覧会を見て思い出した。1993年に彼らが大賞を受賞してデビューしたソニーのアートアーティストオーディションで、数百点の応募作品のなかから候補作を荒選びするのをぼくも手伝ったんだ。たしか明和電機の応募作は、水槽の上に吊るされた針が時報に合わせて落下し、運が悪ければ下にいる金魚に刺さるという《ウケ-テル》。これはナンセンスながらも生死をめぐるドラマが秘められていて衝撃的だった。よく金魚愛護団体(そんなのあるか?)から抗議が来なかったもんだ。作品だけでなく明和電機というネーミングも、その制服もセンスがいいというか趣味が悪いというか、とにかくダントツだったのでよく覚えている。その後あれよあれよという間に作品を量産し、ライブを展開し、吉本興業入りして、視界から遠ざかっていった。こうして改めて作品をながめてみると、ぼくが知ってるのは初期の「魚器シリーズ」と「ツクバシリーズ」の一部だけ、つまり90年代なかばごろまでで、以後大半の作品は未知のものだった。まあ最初の瞬発力だけで十分だと思うけど。
2014/01/30(木)(村田真)