2021年09月15日号
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artscapeレビュー

旅行記[前編] 佐藤貢 出版記念展

2014年10月01日号

会期:2014/08/27~2014/09/07

iTohen[大阪府]

廃品や拾得物などを組み合わせて、詩情豊かなジャンク・オブジェをつくり上げる佐藤貢。彼の場合、作品もさることながら、その生き方自体も魅力的である。20代のアジア放浪から、帰国後の和歌山移住、そして現在の在住地である名古屋まで、佐藤の行動は常に捨て身の直感に従っており、その都度の出会いを肥やしにして作品世界を成長させてきた。まるで彼自身が強力な磁場であるかのように、人と素材と場が引き寄せられていくのである。そんな佐藤が、アジアでの放浪旅行の前半部を綴った自伝『旅行記』を出版し、その記念として個展を開催した。作品はオブジェが中心で、ドローイングと平面作品が少々。作風に大きな変化はないが、廃品のガラス瓶(液体入り)の多用が目立っている。自伝出版を機に、彼への理解が劇的に深まる可能性がある。後編の出版と次の個展が待ち遠しい。

2014/08/27(水)(小吹隆文)

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