artscapeレビュー

橋本満智子 展「孕む青」

2014年10月01日号

会期:2014/09/12~2014/09/20

艸居[京都府]

白い素地と青のコントラストが印象的な陶芸作品。花をモチーフにしたオブジェと、花入などの器を出品していた。前者は蕾から開花までの花の状態を手びねりで表現しており、大胆さ、豪快さ、力強さを感じる造形と、胴体の窪んだ部分に見られる青の釉薬が鮮烈であった。一方器は、粘土の小さな塊を積み上げて成形しており、表面には石垣のような模様が残っている。その模様部分に青の釉薬が広がっているのだが、オブジェとは対照的にきわめて繊細な表情を見せており、筆者自身はオブジェ以上に魅力を感じた。

2014/09/16(火)(小吹隆文)

2014年10月01日号の
artscapeレビュー