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新生美術館 設計者選定プロポーザル第二次審査公開プレゼンテーション

2015年04月01日号

会期:2015/02/27

ピアザ淡海2階ピアザホール[滋賀県]

1983年に開館した滋賀県立美術館は、従来の収集方針(日本美術院を中心とした近代日本画、滋賀県ゆかりの美術、戦後日本とアメリカを中心とした現代美術)に、「神と仏の美術」と「アール・ブリュット」を加えた新美術館へと生まれ変わることが決定。建物等の改修工事の設計者を公募した。全国から13者からの応募があり、第1次審査で5者まで絞った後、第2次審査として行なわれたのが、この公開プレゼンテーションである(同時に県民アンケートも実施された)。審査に挑んだのは、株式会社青木淳建築計画事務所、株式会社隈研吾建築都市設計事務所、株式会社山本理顕設計工場、有限会社SANAA事務所、株式会社日建設計 大阪オフィスの5組。1組20分の持ち時間が設定され、舞台の上で画像や映像を用いながらそれぞれのプラン説明が行なわれた。また、プレゼン後には選定委員会によるヒアリングも実施された。観客は300名以上でほぼ満員。予約受付後すぐに定員に達したことからも、県民の関心の高さが窺える。筆者はこの手のイベントに参加したのは初めてだが、建築のプレゼンがこれほど面白いものだとは知らなかった。世界に名だたる建築家たちがみずからマイクを握り、自分のプランを説明するのである。そのスタイルは、淡々と語る者、熱弁する者、舞台の前まで乗り出してくる者などさまざまで、図像や図面だけでは伝わらないたくさんの情報を得ることができた。県民や美術ファンの関心を高める意味でも、公開プレゼンは正解だったと思う。滋賀県には今後も情報を逐次公開して、新美術館が作られていく過程を可視化してほしい。なお、第2次審査の結果、有限会社SANAA事務所が最優秀提案者に選ばれたことを報告しておく(次点は株式会社青木淳建築計画事務所)。

2015/02/27(金)(小吹隆文)

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