artscapeレビュー
新宮さやか展「Longing for the Eternal Touch」
2015年04月01日号
会期:2015/02/21~2015/03/15
ギャラリー器館[京都府]
新宮さやかは、イソギンチャクのような触手を持つ異形の花のオブジェで知られる陶芸家だ。彼女はギャラリー器館で発表するようになってから、器作品も手掛けるようになった。その出来栄えは、最初の頃はオブジェと実用性の関係性に強引さが感じられたが、徐々にコツをつかんだらしい。本展の新作《萼容》では、造形性と実用性の美しい合一を見せている。もちろん作品は今後も進化を続け、外見は変化していくだろうが、大崩れすることはなさそうだ。オブジェも引き続き制作を続けており、美術と工芸、双方の面から今後の展開が楽しみな作家である。
2015/02/24(火)(小吹隆文)