artscapeレビュー

摺師 戸田正の仕事

2015年04月01日号

会期:2015/03/07~2015/03/29

COHJU contemporary art[京都府]

日本の伝統的木版画(浮世絵)の摺師である戸田正(1936~2000)は、1982年よりクラウンポイントプレス社(アメリカ)の日本木版画プロジェクトに摺師として参加し、ドナルド・ジャッド、フランチェスコ・クレメンテ、アレックス・カッツ、チャック・クロースなど、そうそうたるメンバーの木版画制作を手助けした。本展は彼の功績を再評価するもので、彼の工房(紫雲堂/京都市北区)に残された作品、校正摺り、道具類、新聞記事等の資料などを展示していた。出品物はどれも貴重なものばかりだが、作家の指定が入った校正刷りや、チャック・クロース作品の制作過程が分かる連作はとりわけ見応えがあった。日本の優れた職人技を顕彰する意味で、本展の開催は意義深い。

2015/03/08(日)(小吹隆文)

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