artscapeレビュー

上路市剛個展「re:male」

2015年04月01日号

会期:2015/03/03~2015/03/15

ギャラリー知[京都府]

SF映画などで用いられる特殊メイクの技術を独学で習得し、デッサンで用いる石膏像を元にした立体作品を発表。ミケランジェロ、聖ジョルジョ、ジュリアーノ・ディ・メディチをモデルとしたそれらは、まるで生きているかのようなリアリティを放っており、現代の生き人形とでも賞すべき出来栄えだった。まだ大学の4回生で、これが初個展というのだから恐れ入る。また、絵画作品も出品されていたが、こちらは古典彫刻のポーズを取りながらも漫画的な絵柄で、少年愛・同性愛的嗜好が前面に出ていた。彼はこの春で大学を卒業し、特殊メイクの勉強のため東京の専門学校に進学するという。この才能を一度の個展だけで終わらせるのはもったいない。何年後でもよいので、ぜひ美術の世界に復帰してほしい。

2015/03/03(火)(小吹隆文)

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