artscapeレビュー

谷原菜摘子展「Black is the Colour」

2015年04月01日号

会期:2015/03/03~2015/03/14

galerie 16[京都府]

京都市立芸術大学の大学院に在籍中ながら、すでに美術関係者の注目を集めている画家・谷原菜摘子。彼女の作品は、漆黒のベルベット地に油彩やラインストーン、ラメ等を用いて描かれており、その内容は自身が見た悪夢や少女期の出来事に由来する。人間、人形、動物、物の怪などのキャラクターが異界を思わせる室内等で繰り広げる場面を見ていると、華麗、陰鬱、毒々しい、土俗的、呪術的といったキーワードが次々と浮かんでくる。強烈な吸引力を放つその作家性が、多くの人を虜にする日はそう遠くないだろう。本展では200号を含む大作4点に加え、小品も多数展示。大作はもちろんだが、磁器をモチーフにした小品の連作も斬新であった。

2015/03/03(火)(小吹隆文)

2015年04月01日号の
artscapeレビュー