artscapeレビュー
ミシャ・デリダー ジャパンスーツケースII
2015年04月01日号
会期:2015/03/07~2015/03/28
ギャラリーギャラリー[京都府]
フランスのモード造形作家ミシャ・デリダー。彼女は服飾と立体を兼ねるような造形作品と、それをまとったパフォーマーによるダンスを作品としている。また近年は、スーツケースに作品を詰めて海外を訪れるスーツケース・プロジェクトも展開している。彼女は2013年に日本を訪れ、京都の丹後ちりめんや西脇の播州織など、日本各地の布地を入手した。本展の出品作はそれらを用いたものだ。大量のぬいぐるみと衣服が合体した作品、いくつもの袖を持ち、前後左右を問わず着用できる作品、無数の半球形の突起で覆われた作品など、彼女の作品はどれもユニークだ。動く姿を見られなかったのが残念でならない。リモコンで稼働する台座を作って衣装を着せれば、パフォーマーが不在でも動く姿を見ることができる。いや、無人劇のような新表現へとつながるかもしれない。次に来日する時に、彼女の表現はどのように進化しているだろう。その日がいまから楽しみだ。
2015/03/10(火)(小吹隆文)