artscapeレビュー
渋谷達郎と大類真光による《西根の家》/辺見美津男《すべり台の家》
2017年03月15日号
[山形県、福島県]
今年も審査委員長の古谷誠章とまわる、恒例の東北住宅大賞の現地審査を行なう。ついに第10回となった。最初は山形の豪雪地帯へ。渋谷達郎と大類真光による《西根の家》を訪問する。自分の山の木を使いつつ、高齢者のひとり暮らしにとって、除雪の負荷を減らすことを考え、道路側に家を建て替えた。寄棟屋根の下、大きな開口で景色を眺めながら暮らす、のびやかな住宅である。
郡山へ移動。辺見美津男による《すべり台の家》を見学する。急勾配の売れ残った宅地を活用し、室内外とも段々の構成をつくり、ハイライトは子どもが遊ぶすべり台である。また隣のグループホームの斜面を無料で借りながら、緑化する。サービス動線はコミュニティ再生長屋と同様、片側にまとめる。その後、米蔵をリノベーションした辺見事務所において、懇親会を行なう。
2017/02/28(火)(五十嵐太郎)