artscapeレビュー
プレビュー:裏声で歌へ
2017年03月15日号
会期:2017/04/08~2017/06/18
小山市立車屋美術館[栃木県]
今号のプレビューでも取り上げた、國府理「水中エンジン」再制作プロジェクトの一環であり、同プロジェクトの企画者である遠藤水城がキュレーションするグループ展。時代の「音」、「声」をテーマに、再制作版の國府理《水中エンジン》のほか、大和田俊、五月女哲平、本山ゆかりの3名の現代美術作家による新作、美術館の最寄りの中学校の合唱コンクールの映像、富士山や戦闘機などが描かれ、日清、日露、太平洋戦争など時代を映し出す「戦争柄の着物」が出品される。昨秋、「奈良・町家の芸術祭 はならぁと2016」において、地域の案山子巡りと同居する形で開催された展覧会「人の集い」に続く、遠藤による連続展覧会「日本シリーズ」の第二弾となっている。現代美術作品に加え、地元中学校の合唱コンクール、戦争柄の着物という資料を並置することで、それぞれの人の営みのなかからどのような視座が浮上するだろうか。
2017/02/27(月)(高嶋慈)