artscapeレビュー

青木良太 展

2010年11月01日号

会期:2010/09/24~2010/10/30

小山登美夫ギャラリー京都、TKGエディションズ京都、eN arts[京都府]

若手陶芸家の旗手として活躍中の青木だが、関西での個展は珍しい。それだけに、この機会を待ちわびていたファンも多かったのでは。展示は会場ごとに傾向が異なった。小山~では、器ではなくオブジェを展覧。逆にTKG~では、150点以上の器類が並び、コレクターの購買意欲を大いに刺激した。しかし、私が最も感心したのは、eN artsでのプレゼンテーション。八坂神社に隣接し、知恩院、高台寺、清水寺にもほど近い円山公園というシチュエーション、そして茶室を持つ画廊という特性を生かして、出品作品を茶席のセットで統一していたのだ。なかでも、画廊所蔵の銀食器と共にアレンジされ、“某国の王族が見よう見まねで茶会の設えをしたら”という設定のテーブルは、思わず微笑を誘う珍奇さで、見事であった。

2010/09/28(火)(小吹隆文)

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