artscapeレビュー
窪田俊三 展
2010年11月01日号
会期:2010/10/11~2010/10/16
コバヤシ画廊[東京都]
白い支持体に無数の黒い点。一見すると、よくある細密画のようだったが、目を凝らしてみると、一つひとつの点はじつは穴で、しかも小さな開口部の縁が所々めくれ上がっている。作家によれば、電動ドリルでひとつずつ穴を穿ったという。わずか数ミリの鋭い先端で何度も何度も平面を撃ち続ける身体の運動性。そこには「平面」にたいする激しい愛憎の念が感じられたが、その両義性を抱えつつも、最終的に「平面」として完成させている以上、やはり愛のほうが勝っているということなのだろう。
2010/10/14(木)(福住廉)