artscapeレビュー
佐川好弘 個展「動と悩 why」
2010年11月01日号
会期:2010/09/28~2010/10/03
ギャラリーはねうさぎ[京都府]
佐川の作品は、メッセージが言葉の形のままオブジェ化している。「君と僕」「解キ放テ」「君らしく」など、その内容はベタととも言えるが、例えば「解キ放テ」のオブジェを背負って富士登山を実行するなど、実際の行動を伴うことで見る者をポジティブな方向へと導くのだ。本展では、今年8月に富山県南砺市で行なわれた「上畠アート」で発表した作品《君らしく》が再現され、設置の状況を記録した写真作品も出品された。公道に標識の規格で書かれた「君らしく」の文字。爽快じゃないか、突き抜けているじゃないか。身体的ダイナミズムをもって、思考を現実界に直結させること。それが佐川好弘の優れた資質であると、改めて確信した。
2010/09/28(火)(小吹隆文)