2019年09月15日号
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artscapeレビュー

今日の反戦反核展2010

2010年11月01日号

会期:2010/09/11~2010/10/15

原爆の図丸木美術館[埼玉県]

美術評論家の故・針生一郎が呼びかけてきた毎年恒例の企画展。池田龍雄をはじめ、坂口寛敏、前山忠、増山麗奈など、90名による作品が展示された。反戦反核のメッセージを文字によって表現する直接的な作品から色やかたちによって表現する抽象的な作品までさまざまだが、残念ながらいずれもひとつの作品として突出することがなく、全体的に横並びの印象が強い。それが作品の質に由来するのか、それとも「反戦反核」という文脈の質に起因するのか、わからない。けれども、ひとまず誰もが出品できるアンデパンダン形式を再考するべきではないだろうか。たとえば毎年、特定のキュレイターに特定のアーティストを選ばせるなど、個展やグループ展の形式によっても、「反戦反核」というメッセージに接続することは十分可能である。「反戦反核」という言葉の硬さをもみほぐすことができる若いアーティストはたくさんいるだけに、もったいなくてしょうがない。

2010/10/15(金)(福住廉)

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