artscapeレビュー

あいちトリエンナーレ2010

2010年11月15日号

会期:2010/08/21~2010/10/31

愛知県美術館、名古屋市美術館ほか[愛知県]

コンペの審査が予定より早く終わったので、トリエンナーレを見る。愛知県美術館にも内覧会のときにいくつか見逃していた作品があったが、今回見たかったのは納屋橋会場のヤン・フードンの作品。ボウリング場として使われていた広い空間に十数台の時代がかったフィルム映写機を置き、四方の壁に映画を映し出すというインスタレーションだ。映像はアクションものや恋愛系のモノクロ映画で、既存のフィルムなのか作者が撮ったものなのか知らないが、いずれにせよ断片的なシーンを繰り返す。客席がないので観客は立ったり座ったり、隣の壁に移動したりしながら勝手に見ている。なにか野外上映会みたいな雰囲気で、映写機の音や熱までもノスタルジックに感じられる。映画の内容も上映形式も、国際展にありがちな映像作品の対極を行こうとしているようだ。

2010/10/03(日)(村田真)

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