artscapeレビュー
宮本三郎1940-1945
2010年11月15日号
会期:2010/07/31~2010/11/28
宮本三郎記念美術館[東京都]
子どもを預けて妻と久々のデートは自由が丘の宮本三郎記念美術館。宮本三郎という名前はぼくのオフクロも知ってたけど、それは後年のバラ色の画家としてではなく、戦時中の戦争画の大家としてだった。つまり戦争画で一躍成功した画家だったわけで、それは裏返せば敗戦後の再出発がいかに困難なものであったかを物語ってもいる。藤田嗣治なら戦前から大家だったから帰るべきところがあったかもしれないが、宮本は戦争記録画によって名を高めた画家だから帰るべき場所がない。戦後の闇はさぞかし暗かっただろう。晩年のバラ色はその反動か。同展は1940~45年を中心に、戦前の滞欧中の作品から戦争記録画、敗戦後の作品まで激動の時代を振り返るもの。
2010/10/17(日)(村田真)
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