artscapeレビュー
都筑アートプロジェクト2010 ニュータウン+ニュータウン+ニュータウン
2010年11月15日号
会期:2010/10/09~2010/11/05
大塚・歳勝土遺跡公園+都筑民家園[神奈川県]
雨のショボ降るなか見に行く。会場は、弥生時代の竪穴式住居と江戸時代の民家が復元された丘の上の公園一帯で、周囲をニュータウンに囲まれてるため新旧の落差が激しい。そこに切り込めばおもしろい作品が生まれるかも。まず丘に登る途中、ビニール傘でつくったトンネルをくぐる。今井紀彰が子どもたちとコラボしたものだ。今井は竪穴式住居の横にもビニール傘や梱包材で「秘密基地」をつくっていて、これがホームレスの家を思わせ、竪穴式住居との対比が笑える。大谷俊一は二つ出しているが、民家園の裏のなかば埋もれた湯たんぽみたいな作品が傑作。タイトルの《OOPARTS》は、考古学では「場違いな発掘品」といった意味があるらしい。まさにぴったり。阿部剛士の《盆栽-MH》は民家園の庭にキャプションだけ置かれ、近くにはマンホールのふたがあるだけで作品らしきものは見当たらない。考えてみれば民家園にマンホールがあるのも変なので触ってみると、これがプラスチック製の作品だった。マンホールのふたに土がたまり植物が芽を出せば、たしかに盆栽になる。タムラタクミは竹林のなかに約30個のミラーボールをぶら下げて光を当て、まるで月に帰るかぐや姫の送別パーティー。客はタヌキかゲジゲジか。これは愉快。
2010/10/25(月)(村田真)